ディーテリチ(Dieterici)の状態方程式(ディエテリチの状態方程式)とは実在気体の振る舞いを説明する状態方程式のひとつである。
概要
ディーテリチの方程式は以下のように表される。
![{\displaystyle P={\frac {nRT}{V-nb}}\exp \left(-{\frac {na}{RTV}}\right)}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/8f3358cfc945238664e1938fd03b5516c2cec60a)
ファンデルワールスの状態方程式と同様に、ジュール=トムソン効果や臨界点などを定性的に説明することができる。低圧の条件下で、
、
と近似すると、ファンデルワールスの状態方程式と一致する。
臨界点
気体がディーテリチの式に従うとき、臨界点における圧力・体積・絶対温度は、
を解くことにより、以下のように求められる。
![{\displaystyle (P_{\mathrm {c} },V_{\mathrm {c} },T_{\mathrm {c} })=\left({\frac {a}{4e^{2}b^{2}}},2nb,{\frac {a}{4Rb}}\right)}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/9f6fbbd6f470a52ca62c1bc3fe90fe67ff03e718)
臨界点における圧縮因子は
でファンデルワールスの式のそれ(
)に比べるとキセノンの実測値(0.278)や二酸化炭素の実測値(0.287)など非極性分子気体の値に近い。
参考文献
- Palmer, Rogalski: Advanced University Physics ISBN 9782884490665