公人

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曖昧さ回避 この項目では、現代社会における公人について説明しています。
  • 中世の朝廷や武家政権などの職員である「公人(くにん)」については「公人 (役職)」をご覧ください。

(こうじん)とは、公務員議員などのように公務についている者[1]のことである。また、公人ではないが、社会的な立場を持った人や[2]、社会的な影響力を持った人は準公人みなし公人と言われることがある[3]

公人の定義

公人について言及した法令は存在しておらず、裁判所の判決等で言及される際にも明確な定義はおこなわれず、幅がある状態となる[3]。一般に私人に対してはそのプライバシー権が強く保護されるが、公人は社会的に及ぼす影響が大きいため、私生活であっても『公共の利害』に及ぼす影響が大きい公人の場合にはその保護が行われないことがある[4]

準公人

公人に、社会的に影響力のある経済人、有名人を含むとする広義にとらえる考え方も存在する。1981年(昭和56年)4月16日の最高裁判所第一小法廷判決において、私人であっても社会的に一定の影響力を持つ者に対する批判は事実の公共性が持つことがあるとされており(月刊ペン事件)、このような私人は準公人・みなし公人とよばれる[5]写真週刊誌等で芸能人やその家族私生活が報道されるのはこの理論によるものである[6]

脚注

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  1. ^ 『大辞林』第二版849頁
  2. ^ デジタル大辞泉 小学館
  3. ^ a b 板倉陽一郎 2006, p. 10-12.
  4. ^ 板倉陽一郎 2006, p. 11.
  5. ^ “質問主意書:参議院”. 2022年10月22日閲覧。
  6. ^ “「モザイク入りなら子ども写真も黙認」芸能事務所が週刊誌報道に猛抗議をしないワケ 業界内に存在する「2つのルール」”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) (2021年7月18日). 2022年10月22日閲覧。

参考文献

  • 板倉陽一郎「インターネット上における「意図せぬ公人化」を巡る問題(ポスターセッション)」『情報処理学会研究報告. EIP, [電子化知的財産・社会基盤]』第2006巻第128号、一般社団法人情報処理学会、2006年、ISSN 09196072、NAID 110005716480。 

関連項目

  • 民間人
  • Orden wider den tierischen Ernst(ドイツ語版) - 生真面目さとの闘いメダルの意。アーヘンのカーニバル団体(英語版)から、ウィットにとんだ面白い対応をした公人へ送られる賞。