古谷綱武
古谷 綱武(ふるや つなたけ、1908年5月5日 - 1984年2月12日)は、日本の文芸評論家。
生涯
ベルギー生まれ。小学生になるまではロンドンで、1922年に旧制宇和島中学校(現在の愛媛県立宇和島東高等学校)に入学、2年後に青山学院中等部に編入、1925年に旧制成城中学校に転入。1926年に成城高等学校に入学するが、1929年に中退した[1]。同人雑誌『白痴群』に参加し文藝評論を行う。女性論、児童文学論などで多数の著作がある。墓所は多磨霊園。
家族
父の古谷重綱は外交官で、在メキシコ、アルゼンチン公使を務めた。弟は古谷綱正。妹・滝沢文子(1910-52)は滝沢修の最初の妻。妻は吉沢久子。伯父に伊藤博文の秘書官を務めた古谷久綱。長男はTBS「8時だよ!全員集合」のプロデューサー・ディレクターを務めた古谷昭綱である。
著作
単著
- 川端康成 作品社 1936
- 批評文学 三笠書房 1936
- 横光利一 作品社 1936
- 純情の精神 砂子屋書房 1938
- 文学紀行 評論感想集 竹村書房 1938
- 作家の世界 赤塚書房 1939
- 魅力の世界 竹村書房 1941
- 生活の心情 三省堂 1941
- 美しき日本 愛宕書房 1942
- 女性論 愛宕書院 1942
- 村生活の反省 翼賛図書刊行会 1942 (村の調査報告)
- 少女のための生活論 淡海堂 1942
- 少女のための人生論 教養社 1942
- 生活の精神 教材社 1942
- 女性・生活・文化 時代社 1942 (婦人文化叢書)
- 児童文学の理想 帝国教育会出版部 1942
- 私たちの生活と文学 宋栄堂 1942 (青少年文化読本)
- 現代母性学 東京学芸社 1942
- 生活のなかの勉強 明石書房 1942
- 人生紀行 明石書房 1942
- 指導者の精神 教材社 1943
- 人生論 一生活者の手記 青年書房昭光社 1943
- 生活の中の芸術 翼賛出版協会 1943
- 働く女性と生活 時代社 1944 (婦人文化叢書)
- 生きる態度 三省堂 1944
- 日本のこころ 翼賛出版協会 1944
- 愛情と教養 新紀元社 1946
- 人生と愛 文苑社 1946
- 生活のなかの女性 弘文社 1947
- 終戦まで 雕居堂書房 1947
- 若き母のために 光文社 1947
- 人生随筆 正・続 青雅社 1946-47
- 児童文学の手帖 育生社 1948 (芸林新書)
- 宮沢賢治の文学 日本社 1948、のち「宮沢賢治」角川文庫
- 女性の書 真光社 1948
- 若き日の思索 臼井書店 1948
- 世の中雑記 創元社 1948 (百花文庫)
- 宮沢賢治研究 日本社 1948
- 小説のなかの女性たち 1948 (コバルト叢書)
- 随筆北海道紀行 玄文社 1948
- 詩人宮沢賢治 山海堂 1948
- 教育のなかの人生 西荻書店 1948 (新教育叢書) 、のち河出文庫
- 現代の青年について 双樹社 1948
- くらしの今と昔 中央公論社 1949 (ともだち文庫)
- 悩める未亡人の為に 中内書店 1949
- 幸福への道 三笠書房 1949
- 生活への愛情 乾元社 1949
- 明かるく生きよう 少年少女のために 二葉書店 1950 (二葉学習文庫)
- ぼくの日本旅行 中央公論社 1950 (ともだち文庫)
- 暮しのなかの人生論 角川新書 1950
- 文章のはなし 小峰書店 1951 (小学生文庫)
- 日本のおいたち あかね書房 1951 (小学生学習文庫)
- 世界文学 市ケ谷出版社 1951 (文芸読本)
- どう暮したらよいか 要書房 1951
- 若き日の文学探求 泰光堂 1951 (教養選書)
- 若き女性のために 1951 (創元文庫) のち新潮文庫
- 女性のための二十四章 白灯社 1951 (白灯叢書)
- 美しい社会とよい子の生活 小峰書店 1951 (小学生文庫)
- 私たちの生きかた 牧書店 1951 (学校図書館文庫)
- 女性のための人生論 ジープ社 1951
- 青春の生き方 梧桐書院 1951 のち三笠文庫
- 心を清くする話 あかね書房 1952 (小学生学習文庫)
- 日日の幸福 実業之日本社 1952
- 恋愛と結婚 三笠書房 1952 (三笠新書)
- 日々の幸福のために 創元文庫 1952、のち新潮文庫
- 女の生き方 北辰堂 1952
- 生活を愛して 要書房 1953
- 生きるということ 要書房 1953
- はたらく女性 東洋経済新報社 1953 (家庭文庫)
- 女の幸福 東西文明社 1953
- 女性の幸福について 社会思想研究会出版部 1953(現代教養文庫)
- 現代文学教室 ポプラ社 1953 (少年少女知識文庫)
- ぼくの日本旅行 三十書房 1954
- 読書と学生 同和春秋社 1954 (中学生の文学教室)
- 妻の生きかた 新潮社 1954
- 娘の生きかた 新潮社 1954
- 母の生きかた 新潮社 1954
- 女性の幸福のために 葦出版社 1954 (葦現代叢書) のち現代教養文庫
- 働く女性のために 女性と職業 河出書房 1954 (河出新書)
- 女性のための人生論 要書房 1954
- 日本のことわざ あかね書房 1955 (小学生学習文庫)
- 宮沢賢治 国土社 1955 (少年伝記文庫)
- 若さと幸福 社会思想研究会出版部 1955 (現代教養文庫)
- 恋愛と結婚 三笠書房 1955 (三笠新書)
- 新しい生活のために 北辰堂 1955
- 女の考え方 河出書房 1955 (河出新書)
- わたくしの恋愛論 ダヴィッド社 1956
- くらしのちえ 学風書院 1956 (思索新書)
- 家庭生活の幸福 1・2 角川書店 1956 (角川新書)
- 生きる人たち 東西文明社 1956
- 男の考え方 河出書房 1956 (河出新書)
- 考えるということ 学生社新書 1956
- 青春のなかの人生 学灯社 1956 (若人新書)
- 若い日を生きるために 河出書房 1956 (河出新書)
- 考えること生きること 牧書店 1956 (学校図書館文庫)
- 中学生について 新評論 1957
- 女が酒を飲むこと 弥生書房 1957
- 古谷綱武集 日本書房 1958 (現代知性全集22)。復刻「日本人の知性20」学術出版会 2010
- 小学生について 新評論 1958
- 暮しのなかで考えたこと くろしお出版 1958
- 女が生きること 穂高書房 1958
- 美しい心・人間らしい生きかた 牧書店 1959 (子どもの生活シリーズ)
- 働く女性の生き方 青春新書 1959
- 母親の道徳 牧書店 1959
- 生活のなかのことば 牧書店 1960 (子どもの生活シリーズ)
- 考えること生きること 牧書店 1960 (新編学校図書館文庫選集)
- 劣等感を生きる 青春新書 1960
- 評伝川端康成 実業之日本社 1960
- 職場の生き方 青春新書 1961
- 現代良妻論 牧書店 1961
- 女房関白時代 弥生書房 1961
- 美しく生きた人びとのほんとうにあったお話 1~6年生 国土社 1965
- 現代文学入門 入門百科 ポプラ社 1965
- 転換期の家庭と教育と人間と 明治図書出版 1965 (道徳教育選書)
- 人生ノート 若い日の思索のために 大和書房 1965
- 若き日をどう生きるか 鶴書房 1966
- 女性の生き方 これからの人生設計 大和書房 1966
- 母の歴史 明治図書出版 1966 (シリーズ・現代家庭教育新書)
- 自分自身の人生 日日を美しく生きるために 大和書房 1967 (銀河選書)
- 青春の愛とモラル 旺文社新書 1967
- ひとり生きる人生 哀しみをはねかえすもの 大和書房 1968 (銀河選書)
- 日日の心得 幸福な生活をささえる心の糧 日本文芸社 1968
- 教育に生涯をかけた婦人たち 明治図書出版 1969
- 弱さを生きる 希望を見失ない絶望したとき 大和書房 1970 (銀河選書)
- 私の中の日本 六芸書房 1972
- 私の心の中の日本 日本放送出版協会 1975 (NHKブックスジュニア)
- 新潟遠望 地方の中の日本 みき書房 1975
- 生きいきと感じるとき 大和書房 1978
編著
- 生活文化の方向 名取書店 1940(編)
- 子に生きる母の日記 滝沢文子 刀江書院 1940
- 僕たち人間のほこり 少國民文藝選 帝國教育會出版部 1942.10
- 愛は風雪に耐えて 獄中通信 滝沢修・滝沢文子 中内書店 1949
- 石川啄木集 新潮文庫(上下) 1950、のち改版
- 石川啄木純情歌集 三十書房 1951
- 少年少女から大人への抗議 西荻書店 1951
- きみの意見わたくしの意見 富永次郎共著 東西文明社 1954
- 村に生きる日日 新評論社 1954
- 町の生活雑記 新評論社 農村新書 1955.3
- 若い女性の生き方 吉沢久子共著 青春新書 1959
- 人を魅きつける秘訣 若い日の生活設計 吉沢久子共著 青春新書 1960
脚注
出典
[脚注の使い方]
- ^ 坂井市立図書館ホームページ(古谷綱武略年譜)
参考文献
- 新潮日本人名辞典
外部リンク
- 井伏鱒二 と 荻窪風土記 と 阿佐ヶ谷文士(古谷綱武・人生と文学)