昇天の書

昇天の書(しょうてんのしょ、アラビア語: كتاب المعراجキターブ・アル・ミーラージュラテン文字:Kitab al Miraj、英語: Book of the Ascension)はムハンマド天国ミーラージュ(アラビア語版、英語版)として知られている)への昇天について記したイスラム教の書物である。天国への昇天に関しては、メッカからエルサレム(イスラー)への不思議な一夜の冒険に続いて触れられている。昇天の書は7つの節に分かれており、ナスフ体を用いたアラビア語で書かれている。

概説

昇天の書はアブー・ウッ=カースィム・アブダルカリーム・ビン・ハワーズィン・ビン・アブダルマリク・ビン・タルハ・ビン・ムハンマド・アル=クシャイリー・アル=ニサーブリー(ラテン文字:Abu'l-Qasim 'Abdalkarîm bin Hawâzin bin 'Abdalmalik bin Talhah bin Muhammad al-Qushairî al-Nisaburi、أبو القاسم عبد الكريم بن هوازن بن عبد الملك بن طلحة بن محمد القشيريヒジュラ暦376年-465年)によって書かれたと信じられている。

13世紀後半、昇天の書はラテン語(ラテン語の書籍名はLiber Scale Machometi)やスペイン語へと翻訳され、その後すぐ(西暦1264年)に古フランス語へと翻訳された[1]。この書物で触れられているイスラム教の地獄の描写はダンテ・アリギエーリ神曲やスペインのミゲル・アシン・パラシオス(英語版)、イタリアのエンリコ・チェルーリ(英語版)といった14世紀の文学に大きな影響を及ぼしたと考える学者もいる。

脚注

  1. ^ I. Heullant-Donat and M.-A. Polo de Beaulieu, "Histoire d'une traduction," in Le Livre de l'échelle de Mahomet, translated by Gisèle Besson and Michèle Brossard-Dandré, Collection Lettres Gothiques, Le Livre de Poche, 1991, p. 22.

関連項目

  • イスラーとミーラージュ(アラビア語版、英語版)
  • 夜の旅 (クルアーン)

外部リンク

  • Traces de soufisme en Europe occidentale
  • Bibliographic reference to the Miraj from Khuda Bakhsh Library in Patna, India
  • THE NIGHT JOURNEY OF MUHAMMAD TO HEAVEN
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