有毛目

有毛目
オオアリクイ
Myrmecophaga tridactyla
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
下綱 : 真獣下綱 Eutatheria
上目 : 異節上目 Xenarthra
: 有毛目 Pilosa
学名
Pilosa Flower, 1883[1]
和名
有毛目[2]
亜目

有毛目(ゆうもうもく、Pilosa)は哺乳綱に分類される目。現在はアメリカ大陸のみに生息する。ナマケモノアリクイを含む。アルマジロなど被甲目とは姉妹群で、ともに異節上目に属する。

進化史

既知で最古の異節類の化石は、6,600万年前、白亜紀末期の北アメリカ大陸から発見されている。その後南アメリカ大陸に分布は限られるようになり、第三紀の間に有毛類と被甲類が分岐したと思われる。その後、アリクイ類とナマケモノ類に分岐しているが、被甲類に比して有毛類は化石記録が少なく、進化過程の解明はあまり進んでいない。しかし唯一、地上性ナマケモノに関しては化石が多く出土しており、漸新世後期には現れていた事が分かっている。初期の種ではネコほどの大きさであったが、更新世には6mを超す巨大なものも現れ、知られている属の数は80あまりを数える。この大型ナマケモノは数千年前まで生き延び、人類の狩猟対象となっていた。

分類

このグループの分類には、変遷の歴史がある。かつて有毛類は、被甲類(アルマジロなど)とともに貧歯目(または異節目)内に置かれ、有毛下目とされてきた[3]。しかし1990年代以降、真獣類の分類の大幅な見直しが行われ、異節類は四大グループの一つとして上目に格上げされるとともに、有毛下目も目のランクを与えられた。同時にアルマジロなども被甲目とされた。また、かつては異節類自体もセンザンコウツチブタなどとともに貧歯目内の一グループ(異節亜目)とされていたこともあった。しかし、これらの動物の類似は、シロアリ食への特化による収斂進化のためであり、多系統群であるということが分かり、貧歯目は解体された。

上位分類

下位分類

このグループは、ナマケモノ類とアリクイ類を包括する。

ウィキメディア・コモンズには、有毛目に関連するメディアがあります。
ウィキスピーシーズに有毛目に関する情報があります。

出典

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  1. ^ Alfred L. Gardner, “Order Pilosa,” In: Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (eds.), Mammal Species of the World (3rd ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 100-103.
  2. ^ 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志 「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
  3. ^ 遠藤秀紀・佐々木基樹「哺乳類分類における高次群の和名について」『日本野生動物医学会誌』第6巻 2号、日本野生動物医学会、2001年、45-53頁。

参考文献

  • 遠藤秀紀 『哺乳類の進化』東京大学出版会、2002年、ISBN 978-4-13-060182-5。
  • 富田幸光 文、伊藤丙雄、岡本泰子イラスト 『絶滅哺乳類図鑑』 丸善、2002年、ISBN 4-621-04943-7。
哺乳類の目
原獣亜綱
基盤的分類群
後獣類/有袋類
オーストラリア有袋類
真獣類/有胎盤類
異節類
アフリカ獣類
アフリカ食虫類
近蹄類
テチス獣類
北方真獣類
真主齧類
グリレス類
真主獣類
ローラシア獣類
有蹄類
広獣類
未詳
廃止・希
†は絶滅目