杉岡華邨

杉岡 華邨(すぎおか かそん、本名:杉岡 正美(まさみ)[1]1913年大正2年)3月6日 - 2012年(平成24年)3月3日)は、書家文化功労者文化勲章受章者。位階従三位

来歴

奈良県吉野郡下北山村生まれ。奈良師範学校を卒業後、辻本史邑尾上柴舟日比野五鳳に師事した。奈良県立高等女学校教諭を経て大阪教育大学で書を教えるようになると、その傍ら京都大学で文学や美学を聴講し、久松真一から禅美術の思想的背景を学んだが、これが以後の作品の哲学的な主軸となり、「王朝文学にあらわれた日本書道について」の研究で大成した。日展・朝日現代書道二十人展・毎日書道展・読売書法展に作品を発表、平安朝以来のかな書の美とその表現の可能性を追求し、かな書の第一人者となっていった。奈良県文化賞、日展文部大臣賞などをはじめ、1983年(昭和58年)には日本芸術院賞を受賞[2]。1989年(平成元年)に日本芸術院会員に選出、1995年(平成7年)には文化功労者として顕彰された。1999年(平成11年)に財団法人杉岡華邨書道美術財団を設立して理事長に就任[3]。2000年(平成12年)には文化勲章を受章。同年奈良市に杉岡華邨書道美術館が開館して館長に就任した。

心不全のため奈良市内の病院で死去[4]、98歳だった。没日付をもって従三位に叙された。

著書

  • 『かな書き入門』 保育社(カラーブックス)、1980年
  • 『古筆に親しむ – かなの成立と鑑賞』 淡交社、1996年
  • 『書教育の理想』 二玄社、1996年
  • 『かな書の美を拓く杉岡華邨』 ビジョン企画出版社、1998年
  • 源氏物語と書生活』 日本放送出版協会、2007年

編集

  • 『書道技法講座〈31〉かな – 寸松庵色紙紀貫之』 二玄社、1976年
  • 『現代かな書法講座 第2巻 小字かな基本篇2』 角川書店、1985年

関連書

  • 杉岡和子『一旦辞するにあたり – 書家杉岡華邨との日々』 NHK出版、2013年(著者は杉岡華邨夫人)

出典

  1. ^ 官報第5770号第9面(平成24年3月30日本紙)より
  2. ^ 『朝日新聞』1983年3月3日(東京本社発行)朝刊、22頁
  3. ^ 奈良市杉岡華邨美術館HP「杉岡華邨先生の書の歩み」「杉岡華邨氏について」
  4. ^ 2012年3月4日日本経済新聞「(おくやみ)杉岡華邨氏が死去 かな書の第一人者」 2012年3月4日閲覧

関連項目

外部リンク

  • 奈良市杉岡華邨書道美術館
 
第一部(美術)
日本画
洋画
彫塑
工芸
建築
 
第二部(文芸)
小説
戯曲
詩歌
評論
翻訳
 
第三部(音楽・演劇・舞踊)
能楽
歌舞伎
  • 1951: 三代目中村時蔵
  • 1952: 二代目市川猿之助
  • 1953: 三代目市川寿海
  • 1954: 三代目阪東寿三郎
  • 1956: 三代目市川左団次
  • 1962: 六代目中村歌右衛門
  • 1966: 七代目尾上梅幸・八代目坂東三津五郎
  • 1969: 十七代目中村勘三郎
  • 1970: 二代目中村鴈治郎
  • 1972: 十三代目片岡仁左衛門
  • 1974: 八代目松本幸四郎
  • 1975: 七代目中村芝翫
  • 1981: 四代目中村雀右衛門
  • 1982: 三代目實川延若
  • 1984: 十七代目市村羽左衛門
  • 1985: 二代目中村吉右衛門
  • 1986: 二代目中村扇雀
  • 1987: 五代目中村富十郎・七代目尾上菊五郎
  • 1988: 片岡孝夫
  • 1989: 十二代目市川団十郎
  • 1990: 八代目中村福助
  • 1991: 九代目坂東三津五郎
  • 1993: 五代目中村松江
  • 1996: 二代目中村又五郎
  • 1999: 五代目中村勘九郎
  • 2001: 六代目沢村田之助
  • 2005: 九代目中村福助
  • 2006: 十代目坂東三津五郎
  • 2007: 五代目中村翫雀
  • 2008: 五代目中村時蔵・五代目中村芝雀
  • 2011: 三代目中村橋之助
  • 2016: 五代目中村歌六・五代目坂東玉三郎
  • 2017: 四代目市川左團次
  • 2018: 三代目中村扇雀
  • 2020: 十代目松本幸四郎
文楽
邦楽
洋楽
舞踊
演劇
太字は恩賜賞受賞者。名跡は受賞時のもの。表記揺れによる混乱を避けるため漢字は便宜上すべて新字体に統一した。
典拠管理データベース ウィキデータを編集
全般
  • FAST
  • ISNI
  • VIAF
  • WorldCat
国立図書館
  • アメリカ
  • 日本