細胞診

細胞診(さいぼうしん、Cytology)とは、人体から採取された細胞材料について標本を作製し、顕微鏡で観察して行う検体検査。スクリーニング的細胞診と診断的細胞診に分けられる。

細胞診を細胞診断と呼ぶこともあるが、数量的には病理学的検査が主であり、細胞診専門医や病理専門医の関与しないものが多いので、この場合は細胞診という表現が実際的である。

  • 2010年4月診療報酬改正からは、作製された細胞診(N004)標本に基づき、病理診断を専ら担当する医師が 診断した場合には細胞診断料(N006-2)が算定されることとなった。

スクリーニング的細胞診

スクリーニング的細胞診(screening cytology)はがん検診等で、病変の有無を調べる細胞診。剥離細胞診(exofoliative cytology)。

子宮がん検診では子宮頸部をブラシで擦り取って採取した細胞を用いる。肺がん検診で喀痰細胞診が行われることもある。

  • 日本では細胞検査士がスクリーニングを担当し、細胞に異常がなければ陰性(ClassⅠ、Ⅱ)等の検査結果が発行される。異常があれば、疑陽性・陽性(ClassⅢ、Ⅳ、Ⅴ)に分類され、この場合は細胞診専門医・病理専門医等による顕微鏡観察が行われる。
  • 米国では細胞診標本を画像解析して行う自動スクリーニングが行われている。細胞診材料について機器による分析も検討されており、細胞診検査精度管理での応用に期待がある。

診断的細胞診(diagnostic cytology)は病変が存在する場合に、病変部の診断を目的として、病変から採取した細胞材料を用いる細胞診。穿刺吸引細胞診(aspiration cytology)は病変部を刺して吸引採取された細胞を標本にして顕微鏡観察するもの。たとえば乳腺や甲状腺のしこりについて、良性のものか悪性のものか診断するときなどに、穿刺吸引細胞診が行われる。

  • 診断するのに十分な細胞が採取されていない場合は、不適正標本(inadequate sample)との判定になる。
  • 日本では多くの場合、細胞検査士が標本を観察して異常細胞にマーキングし、細胞診専門医・病理専門医が顕微鏡観察を行い細胞診断を行う。病変の診断であり医行為である。

関連項目

呼吸器関連の検査と手技
手術
上気道
鼻形成術(英語版)
鼻中隔矯正術(英語版)
鼻翼縮小術(英語版)
鼻切除術(英語版)
鼻腔通気度検査(英語版)
音響鼻腔計測法(英語版)
副鼻腔
洞切開術(英語版)
喉頭
喉頭鏡
喉頭摘出術(英語版)
喉頭気管再建術(英語版)
下気道
気管
輪状甲状靱帯切開
気管食道シャント(英語版)
気管切開
気管支
気管支鏡
肺全摘術(英語版)
肺葉切除(英語版)
楔状切除(英語版)
肺移植(英語版)
胸膜剥皮術(英語版)
心肺移植(英語版)
胸壁筋胸膜
縦隔
横隔膜
胸膜/胸膜腔(英語版)
胸腔穿刺(英語版)
胸膜癒着
胸腔鏡
開胸術
胸腔ドレナージ
縦隔
縦隔鏡(英語版)
Nuss法
検査
医用画像
  • CT肺血管造影(英語版)
  • HRCT(英語版)
  • ヘリカルCT(英語版)
  • 換気血流スキャン(英語版)
臨床確率評価(英語版)
  • PSI(英語版)
  • CURB-65(英語版)
呼吸機能検査
  • 体プレチスモグラフィ(英語版)
  • スパイロメトリー
  • 気管支チャレンジテスト(英語版)
  • 肺拡散能(英語版)
細胞診
その他
手技(その他)
酸素吸入
呼吸療法(英語版)
  • 表示
  • 編集