上級システムアドミニストレータ試験

上級システムアドミニストレータ試験
英名 Senior Systems Administrator Examination
略称 上級シスアド
実施国 日本の旗 日本
資格種類 国家資格
分野 コンピュータ・情報処理
試験形式 筆記
認定団体 経済産業省
認定開始年月日 1996年(平成8年)
認定終了年月日 2008年(平成20年)
根拠法令 情報処理の促進に関する法律
公式サイト https://www.jitec.ipa.go.jp/
特記事項 実施は情報処理技術者試験センターが担当
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上級システムアドミニストレータ試験(じょうきゅうしすてむあどみにすとれーたしけん、Senior Systems Administrator Examination、略称上級シスアド、略号SD)は、情報処理技術者試験にあった区分である。 当時の高度情報処理技術者で最高のレベル5の区分の一つであった。

概要

難易度は、最高で超難関区分であった。レベル4であるテクニカルエンジニア(システム管理)、テクニカルエンジニア(ネットワーク)および、レベル3である第一種情報処理技術者ソフトウェア開発技術者情報セキュリティアドミニストレータや、中小企業診断士(情報)などを対象とし、特に経営情報に関するシステム要求を設定するのみならず経営組織の改善を自ら策定していくなどの専門的知識を問うていた。

試験範囲は、企業会計と情報戦略が大部分を占め、中小企業のみならず公的機関や大企業などの大規模な情報システム利用に対する要求仕様の決定のみならず、経営戦略、会計、法務など極めて高度な範囲であった。 企業の取締役や経営者、またはコンサルタントなど組織の意思決定を担うことのできる重要なポストを想定していた。

受験者は、技術試験だけでなく、簿記、販売、フィナンシャルなどの財務や管理系の試験も合格している者が多かった。 毎年、学生の合格者は国内で数名といったキャリア的試験に匹敵するどころか凌ぐ競争率であり、開発系のプロジェクトマネージャアプリケーションエンジニアと並ぶ高い難易度であった。 業務未経験者は対象ではなく、受験すること自体は可能だが合格は極めて難しかった。

沿革

  • 平成 8年(1996年)秋期から年一回実施、年齢制限は受験する年の4月1日時点で27歳以上、受験に際し業務経歴書(経歴の無い者は「業務経歴なし」と記した書類)の提出を要した。
  • 平成13年(2001年)制度改正により年齢制限と業務経歴書の提出を撤廃、午前の試験時間短縮及び出題数減少。
  • 平成17年(2005年)午前の試験時間延長及び出題数増加。
  • 平成20年(2008年)秋期を最後に廃止、後身はシステムアナリスト試験と統合されたITストラテジスト試験

形式

午前

試験時間100分。四肢択一式(マークシート使用)で55問出題され全問解答。IRT(項目応答理論)によって、最低200点~最高800点の5点刻みで採点され、600点以上で合格(午前試験通過)である。

  • 当初から平成12年(2000年)までは、試験時間150分、80問出題。
  • 平成13年(2001年)から平成16年(2004年)までは、試験時間90分、50問出題。
午後I

試験時間90分。情報処理システムの監査及び評価に関する主題の設定となる文章とそれに対するいくつかの小問からなる大問が4問出題され3問を選択し解答。素点採点で、最低200点~最高800点の5点刻みで採点され、600点以上で合格(午後I試験通過)である。ただし、午前試験が600点に満たなかった者は採点されない。

午後II

試験時間120分。3問出題され1問を選択し解答。業務経験を踏まえて小論文(2400字以上4000字以下)を書く。採点はA,B,C,Dの4段階で評価され、Aのみ最終的に合格となる。ただし、午後I試験が600点に満たなかった者は採点されない。

合格者の特典

その他

区分 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
上級システムアドミニストレータ 1996年度~2000年度 23,040 1,648 7.2
2001年度~2008年度 23,833 2,159 9.1
累計 46,873 3,807 8.1

統計資料の応募者・受験者・合格者の推移表[1]において、本試験にかかる数値はシステムアナリスト試験の数値と合算してITストラテジスト試験に計上されている。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 情報処理技術者試験 推移表 (PDF) (IT人材育成センター国家資格・試験部)

関連項目

外部リンク

  • IT人材育成センター国家資格・試験部
    • 上級システムアドミニストレータ試験(SD) 平成13年度春期から平成20年度秋期まで(情報処理技術者試験制度 - 制度の概要)
    • 上級システムアドミニストレータ試験(SD) 平成8年度秋期から平成12年度秋期まで(同上)
  • 日本システムアドミニストレータ連絡会(2009年1月1日に上級システムアドミニストレータ連絡会から改称)
  • ASCII.jpデジタル用語辞典『上級システムアドミニストレータ試験』 - コトバンク
現行の試験
スキルレベル1

IP ITパスポート試験 (旧初級システムアドミニストレータ試験の一部)

スキルレベル2

SG 情報セキュリティマネジメント試験  FE 基本情報技術者試験 (旧第二種情報処理技術者試験、旧基本情報情報技術者試験及び初級システムアドミニストレータ試験の統合)

スキルレベル3

AP 応用情報技術者試験 (旧第一種情報処理技術者試験ソフトウェア開発技術者試験

スキルレベル4
(高度情報処理技術者試験)

ST ITストラテジスト試験 (旧システムアナリスト試験、旧上級システムアドミニストレータ試験の統合)
SA システムアーキテクト試験 (旧特種情報処理技術者アプリケーションエンジニア
PM プロジェクトマネージャ試験
NW ネットワークスペシャリスト試験 (旧オンライン情報技術者試験テクニカルエンジニア(ネットワーク)
DB データベーススペシャリスト試験 (旧オンライン情報技術者試験テクニカルエンジニア(データベース)
ES エンベデッドシステムスペシャリスト試験 (旧マイコン応用システムエンジニア試験テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)試験
SM ITサービスマネージャ試験 (旧システム運用管理エンジニア試験
AU システム監査技術者試験 (旧情報処理システム監査技術者

過去の試験

PE プロダクションエンジニア試験 2000年(平成12年)春期試験まで)
SV テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験 2008年(平成20年)春期試験まで)(現情報処理安全確保支援士試験
SW ソフトウェア開発技術者試験 2008年(平成20年)秋期試験まで)
SU 情報セキュリティアドミニストレータ試験 2008年(平成20年)秋期試験まで)
AN システムアナリスト試験 2008年(平成20年)秋期試験まで)
SD 上級システムアドミニストレータ試験 2008年(平成20年)秋期試験まで)
AD 初級システムアドミニストレータ試験 2009年(平成21年)春期試験まで)
SC 情報セキュリティスペシャリスト試験 2016年(平成28年)秋期試験まで)(現情報処理安全確保支援士試験

試験の歴史
試験に関する法律
主催
科目免除制度
試験に出題される
架空のコンピュータ言語、ソフトウェア
コンピュータの資格
国家資格
情報処理技術者
高度区分
過去の区分
日本商工会議所主催
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文部科学省後援
全国商業高等学校協会主催
全国工業高等学校長協会主催
経済産業省推進資格
マイクロソフト
サーティファイ
その他民間資格
シスコ技術者認定
試験実施団体
IPA
関連分野
情報セキュリティ
プログラミング
表計算
  • 表計算 (情報処理技術者試験)
  • マクロ
コンピュータシステム
ITマネジメント
関連項目